こんにちは。takanoです。
この記事は WEBやデータ分析に関する投稿をみんなでしてみよう アドベントカレンダー(#大好きWeb分析)への寄稿です。
参考:みんな疲れている様子
年末でみんな疲れているだろう時期に、日頃の振り返りとして、改めて「頑張る」ということについて考えてみます。
何かしら、来年からの参考になれば良いなと思います。
頑張るって何?
個人的には「頑張る」という言葉を使うときに、少し後ろ向きというか「耐える」ニュアンスがある気がしています。
例えば筋トレが苦手でゲームが趣味の人は、同じ 1 時間でも以下のように感じるはずです。
- 筋トレ → 頑張る
- ゲーム → 楽しい
かといって、頑張っている人は何か達成したい目標が別にあるので過程を我慢している人とも限らなそうです。
上記の例だと、ゲームが苦手な人からすると「よくそんなに長時間レベル上げを頑張れるな」という感想になるはずです。
なので「自分は今頑張ってる」と思うときには、何かしらに耐えている感情が含まれているのではないでしょうか。
この前提を少し横に置いておきつつ、「頑張る」関連の具体的な例を考えていきます。
頑張ったけど成果が出ない
この例は、仕事における成果が一番わかりやすいですね。
要素としては以下に分かれそうです。
- スキルが足りてない
- 頑張り方が違う
スキルが足りてない
玄人と素人では、同じ情報でも受け取れるものが異なるという話を以前書きました。
これは仕事でも同様で、既に知っていることや持っているスキルの差で進め方に大きな差が出ます。
例えば「Google アナリティクスのいくつかの数字をまとめたレポートを日次で更新してほしい」という業務があったとします。
場合によっては、進め方に以下のような差が出ます。
慣れている人の場合
- Google データポータルを開く
- Google アナリティクスのデータソースを選択
- レポートを作成
- URL を共有するか日次で PDF をメール配信
作業時間:初回 1 時間のみ
初心者の場合
- Google アナリティクスを開く
- 標準レポートから該当箇所をエクスポート
- Excel 上に束ねる
- メールに添付して送信
作業時間:毎日 1 時間
求められている要件に対しての成果物は似ていますが、年間に換算すると膨大な工数の差が発生します。
この工数の差が他の仕事をこなす時間の差につながるので、総合の成果を比較されると劣って見えますよね。
この例に限らず、業務の現場や日々の暮らしにおいて、こうしたスキルの差による効率の違いが常に発生しています。
もし「頑張っているのに、なかなか成果が出ないな」と感じる場合は、そもそも頑張り方が違う可能性を疑ってみるのが良いかもしれません。
頑張り方が違う
具体的に、どんな場合に頑張り方が違うと考えられるかは、以下の 2 通りだと思います。
- 手持ちの情報が違う
- 勝負する領域が違う
1. 手持ちの情報が違う
ここでいう情報とは、その仕事を進めるために必要な情報なので、大きくは以下に分かれるはずです。
- 前提になる認識(要件の把握)
- 必要になる知識やスキル(周辺の技術)
前提になる認識(要件の把握)
自分が何をすれば良いのか、その前提になるのが要件です。
仕事の場合だと以下のような項目を事前に洗い出す必要がありますよね。
- どんな作業をいつまでにやるのか
- その影響範囲はどこなのか
- 関係者への調整が必要か
- 何をもって成果とするのか
- 成果はどう測るのか
このあたりの認識がずれていると、最終的に依頼者が思ったのと全く違う進み方や結果になってしまいます。
認識合わせの重要性や、適切な情報の伝え方については以前もこのブログで触れました。
参考:人にやさしく
認識が合ってない状態でいくら頑張っても、依頼者からの評価は「思ったのと違うんだよなぁ」になってしまいます。
まずは前提になる認識を合わせるようにしましょう。
必要になる知識やスキル(周辺の技術)
必要になる知識やスキルが足りていない場合、頑張る余地があります。
スキルを伸ばすことで要件の把握や実施も容易になりますし、知識が増えると周辺領域の繋がりが把握できるので情報収集の効率も上がります。
インターネット上には曖昧だったり、間違っていたり、得体の知れない情報が多く存在します。
そうした情報から学習を始めてしまうと、固定概念が付いてしまい効率が悪くなるので、なるべく正しい情報源から学ぶことが大事です。
一方で、ある程度その界隈の事情に詳しくなってからでないと、正しい情報の選定も難しいものです。
ここは担当領域によっても変わると思いますが、Web マーケティング全般で網羅的に学んだり情報収集するなら「毎日堂」というメルマガが 個人的なお奨め です。
メルマガを運営している 森野さん は、直近で以下のような書籍も出版されています。
(※一連の紹介について森野さんご本人に確認済みです)
蛇足ですが、この森野さんが 昨年のアドベントカレンダー で「web業界に疲れた中高年の話」という記事を投稿したのをきっかけに、冒頭の画像(みんな疲れているカレンダー)のような状態が発生しました。
とはいえ、いざ開始すると皆さん有益な記事を投稿しているので、このアドベントカレンダー 自体も、一つの良い情報源になりそうです。
以下のインタビューでは、メルマガ作成に最初は 4 時間かかっていたのに今では 1 時間ほどで完了すると紹介されていますが、これがまさに頑張る余地ですよね。
eczine.jp
「頑張る」という言葉に「耐える」ニュアンスを感じていると序盤に書きましたが、熟達してくると耐えることもなく、習慣として実施できる、あるいは楽しんで続けられる場合もあります。
私も過去に何か成果や実績を上げた領域を思い返すと、最初は頑張っていたものの、途中から楽しくなって習慣化したものが多い気がします。
向き不向きもあるので一概には言えませんが、なるべく正しい情報を摂取しつつ効率良く学び実践することができると、頑張る期間はそんなに長くならないのかなと思います。
2. 勝負する領域が違う
もう一つの「頑張り方が違う」例は勝負する領域が違う場合です。
前述した向き不向きの話につながりますが、自分に向いてないことが分かった場合には頑張らない選択肢も検討に入れたほうが良いです。
正しく学び、実践しても成長できない領域であれば、別な領域に注力したほうが効率的に時間を使えます。
また、そのときには向いてないと感じたものの、他の領域の知識やスキルを得た後だとある程度身につく場合もあります。
最初の時点からスラスラいく場合に「才能がある」と表現すると思いますが、そうでなくても総合力でカバーできる可能性があるので悲観することもありません。
特に教育の場だと自分から「向いてないので変えます」とは言い出しづらいはずなので、向き不向きの話は指導側が案配するケースが多そうですね。
一方で、自分から「勝負しない」ことを判断したほうが良いのは以下のようなケースです。
- その領域のプロになる必要は無い
- プロとは圧倒的に差がある
- 頼んだほうが効率が良い
私のような事業会社の人間が外部の支援会社にコンサルタントを頼むのは、上記のような理由からです。
例えばアクセス解析の場合でも設計/実装/分析と領域が分かれます。
既に多少の知識があれば全て一人で完璧にできる人間が多くないことは想像しやすいと思いますが、何か新しいことを始めたてのときは、そこを考えられず「頑張ればどうにかなる」とガムシャラになりがちです。
その場合、既に膨大な時間を使って学習しているプロが 1 日で出せる成果を、1 年かけても出せない可能性もあります。
目先のところで勝負せず、最終的な成果を上げられるように頑張りどころを見極めるのも大事です。
頑張ったけど評価されない
企業や組織に所属していると、「自分は頑張っているのに、周囲に評価されない」という場合があります。
前段に書いた「頑張っているのに成果が出ない」例に陥っている場合だけでなく、成果が出る前の時期だったり目に見える成果が出しづらい場合にどうするべきか考えてみます。
過程が見えてない
人が誰かを評価するときには、見えている範囲(振る舞いや言動)と成果が大部分になるはずです。
成果が残せていれば自然と評価もされやすいですが、それ以外の場合であれば過程を上手に見せるしかありません。
上司に対しての部下や、先輩に対しての後輩を例に考えてみます。
A さん
- 着手時に計画と方針を共有してきた
- 不明点があれば都度質問がある
- 手戻りが少なく完了
残業時間:月 5 時間
B さん
- 着手時に計画のみ共有してきた
- 以降は特に質問や相談無し
- 手戻りが多く発生
残業時間:月 50 時間
最終的に同じ成果物を作ったとしたら、A さんのほうが好印象ですよね。
B さんも自分で考えながら調べたり、頑張ってはいるはずなのに結果として工数にも開きが出てしまいます。
これは過程を見せるかどうかの差で、見えていれば途中で指摘できる点もあるのに、見えてなければ成果物を差し戻してフィードバックするしかありません。
ここで難しいのが頻度の問題です。
チェックをする側も確認の時間は取られるので、細かい点まで逐一共有や相談をされても対応しきれません。
自身の領域で「この点の認識がずれると後の工程に差が出るな」という分岐点を覚えて、ポイントを簡潔に共有してフィードバックをもらうようにすると、より好印象になるはずです。
リモートワークの場合
最近はリモートワークの現場も多いですが、その際には公開されているログに残るように活動するのもお奨めです。
非公開の DM などで進行していると、直接の関係者以外には何も見えません。
オフィスに出社している場合は席に座っていれば「何かしら働いている」のが見えますが、リモートワークの場合は公開されているログにいなければ「存在していない」ように見えます。
この場合に難しい点として、オフィスにいる場合は周辺の人間にしか聞こえなかった会話が、チャットの場合は広く他の人間の目に触れることになります。
評価という点では、チャンスが広がる一方でリスクも増すので、組織や体制によってはこの点をどう意識するかにも注意が必要ですね。
頑張ってる姿を見せない例
漫画などで、テストのときに「かー、全然勉強してなかったわー」と言いつつ良い点取るシーンがあります。
会社員だと勤務時間がカウントされるので使えませんが、あえて過程を見せずに成果だけ出す例ですよね。
あとは親しい間柄のサプライズなどで、陰でこっそり準備しておいて、当日に何か大きいことをして驚かせる場合も当てはまりそうです。
一方で、評価されたくないので、頑張ってる姿をあえて見せない例もあります。
note.com
この記事には私も驚いたのですが、評価者になる際には意識しておかないと齟齬がおきかねないので紹介させてもらいました。
まとめ
さて、ここまで色々と考えてきましたが、この記事の目的は考えることだったので特に結論は用意してませんでした。
効率良く頑張ることで、成果を出しやすく評価を得られやすいだろうというのが一つの主旨でしたね。
まとめると以下のようになります。
- 何のために頑張るのか?
- 何をどう頑張るのか?
- 見せ方も大事
会社員の場合は目標設定など振り返りやフィードバックの場があると思うので、そうした機会もうまく活用しつつ、普段の業務でも細かく方向修正を繰り返すのが良さそうです。
個人で何かを頑張っている場合でも、自らそうした機会を用意していかないと方向性のズレに気付けないので注意が必要です。
そうした意味では 今回のようなアドベントカレンダー への投稿も、一つの手段にはなるかと思います。
(遠回しに勧誘しています)
また、「頑張る」段階を過ぎて徹底的に好きになるか習慣になると、他の人から見たら驚く量の努力を日常的にこなせるという点も一つの主旨でした。
私も来年は新しい習慣を身に付けようと思っているので、年末年始に以下の記事を読み返してみます。
note.com
突然ですが、ここでお知らせです。
私が所属している In-house SEO Meetup 実行委員会では、2021/12/21(火)に ISM LT祭り 2021 というイベントを開催します。
今年はインハウスだけでなく支援会社からも登壇者を募ったところ、とても豪華な顔ぶれになりました。
SEO が中心ですが、他にも Web 全般の興味深いテーマが集まっておりますので、興味のある方はイベントページを覗いてみてください。
年末恒例 LT 祭り、参加受付中です!
— 🅃🄰🄺🄰🄽🄾 (@takano_seo) 2021年12月4日
参加者どうし話せるアフターコンテンツも用意してるので、インハウスの皆さま、楽しく交流しましょう😊https://t.co/IBYeJLDyS2
それでは、またいつか!