[2021-03-13:加筆・修正しました]
こんにちは。takanoです。
今日は公式 SEO ガイドと最新 SEO 情報の入手先というテーマで、私が普段からウォッチしている情報源をまとめてみたいと思います。
初心者~中級者向けの前提で一部省いている部分もありますが、これだけカバーしておけば、SEO 界隈の基本的な会話にはついていけます。
- はじめに
- Google 公式の SEO 情報
- Google 公式以外の SEO 情報
- まとめ
はじめに
SEO の界隈はGoogle 公式の情報以外にも SEO コンサルやツールベンダー、アフィリエイターなど、様々な人たちが各自の解釈した情報を発信するので、何を信じれば良いのか分からない状況が発生しがちです。
- 用語が多くて難しい!
- 何から覚えれば良いの?
- みんな言うことバラバラで何が正解かわからない…
もちろん良質な記事・情報を発信している SEO 関係者も多く存在しますが、ある程度の予備知識が無いと信じられる情報かどうかの目利きができないので、これから SEO を担当する方や個人で独学されている方には厳しいですよね。
私は個人的に SEO というか検索にまつわる話が好きです。検索エンジンを通してユーザーが求める Web サイトを探ることで、結果的に良い Web サイトを作ることができますし、逆もまた然りです。また、検索には最新の技術が惜しみなく投入されてくるので、技術者としての好奇心も満たしてくれます。検索結果では良いものも良くないものも見ることができますが、それを通して Google 検索の今の限界を確認できたり、フィードバックによって改善の小さなお手伝いもできます。
中小企業の商業的な文脈では SEO の施策は広告と比べて CPA などコストの観点で比較されがちですが、検索は既に人々の生活の一部なので、インフラという意味で広告とは少し違う立ち位置にあると感じています。(広告はインフラの中に存在するオプションで、ソーシャルでも同様)
上記の理由により、SEO は一部のマニアックな人のものでなく、Web サイトを運営する人間には必須の教養と感じているので、今回まとまった形で情報源として活用できる記事を目指してみました。
Google 公式の SEO 情報
Twitter で自称コンサルの人の意見は鵜呑みにするのに、 Google 公式のヘルプ記事は見ない人が多いようにも感じます。
Google 検索ではヘルプやガイド、ブログなど色々なチャンネルで情報を発信しているので、まずは基本的なルールを知るという意味で公式情報から確認しましょう!
検索の仕組み
意外なことに、Google 検索は、その内部的な仕組みの概要を公開しています。SEO(検索エンジン最適化)の話をする前に、まずは検索エンジンの仕組みについて学ぶのは必須です。
私も初心者向けに Google 検索の仕組みについて解説したことがあるので、よかったら後で読んでみてください。
takano.hatenablog.jp
ガイドライン
このガイドラインを起点に、その他の細かいヘルプへ誘導してくれます。個別のヘルプを読む前に、このガイドラインの構成を頭に入れておくと、Google 検索が各個別の事象をどう捉えているか知ることができます。
公式 ヘルプ
これも意外かもしれませんが、ヘルプ記事がとても充実しています。キーワードによっては Google 検索上で少し弱いので、ヘルプ内の検索も併用するのがオススメです。
いわゆる SEO に関連することは Google 検索セントラルで、サーチコンソールの利用方法などは Search Console ヘルプ センターで探せます。
Google 検索セントラルで好きな記事
Search Console ヘルプ センターで好きな記事
開発者向けドキュメント
実際にサイト内に Google 検索向けの仕様を実装する際には、Google 検索セントラル内の開発者向けドキュメントが役に立ちます。自身が技術に詳しくない場合はエンジニアの人と一緒に見るとスムーズに説明できるはずです。
よく使うツール
ガチの開発者には、web.dev というサイトも紹介してあげてください。フロントエンド関連の情報がまとまっています。
Google 検索セントラル(旧:ウェブマスター向け)公式ブログ
公式なお知らせは、主にここで発信されます。最初に英語版が出てから日本語版に翻訳されることが多いので、先に英語版で読むときは、段落ごとに Google 翻訳 が便利です。
過去記事に重要なことが書いてある場合も多いので、サイト内検索や site: 検索を活用しましょう。
※ 過去記事は、まだ移行中かもしれませんが Google ウェブマスター向け公式ブログは、Google 検索セントラル ブログに 統合されます
Google 検索セントラル YouTube チャンネル
Google 社員からの、検索についての情報発信がまとまっているチャンネルです。
初心者から上級者まで楽しめる、色んなコンテンツが揃っています。
最近の動画は日本語の字幕が付いているものもありますし、英語の字幕が利用できる動画であれば、動画下のメニューから文字起こしを開くことができます。あとは文字起こしをGoogle 翻訳 に貼りつければ、大筋は把握できます。
公式チャンネルで好きな動画
数が多いのでシリーズ単位で紹介します。図解などがセットで紹介されるので、基本的には初心者向けの情報と相性が良さそうですが、ディープな話題も楽しめます。
- Sustainable Monetized Websites(サイト運営者向けのノウハウ集。新しめのシリーズなので日本語字幕がデフォルト)
- Search Off the Record podcast(動画ではなく音声メインのコンテンツですが、Google 検索の裏側を語る興味深いシリーズ)
- SEO Mythbusting(SEO の都市伝説について、後述するような海外の SEO 有識者をゲストに語ります)
Google 検索セントラル(旧:ウェブマスター)ヘルプ コミュニティ
Google 検索に詳しい人(エキスパート)に質問できたり、過去の質問や回答を検索できます。
主な活用方法
- 過去の投稿を検索、似た事例の回答を探す(トレンドも分かる)
- それでも解決しない場合は質問してみる
- 自分が知ってる問題で困ってる人がいたら回答してみる
※ 質問の際は状況をなるべく詳しく伝えられると回答が付きやすいですが、話しづらい場合は短縮 URL で自サイトの URL を隠したり、図や画像を添付したりもできます
Google 検索(旧:ウェブマスター)オフィスアワー
Google 社員に質問できて、YouTube で回答してくれます。また、Twitter のハッシュタグでは閲覧者による実況が行われており、たまに Google 社員の金谷さんやあんなさんが補足してくれたりします。
日本語版の質問と回答の流れ
- Google 社員:金谷さんが Twitter で告知
- 質問がある方は開催日前に余裕をもって 質問フォーム に投稿
- 主に金谷さんとあんなさんが YouTube で 1 時間ぐらい回答
質問するときの裏技
基本的にサイト名などは伏せて質問することができます。質問の投稿欄に本文を記載する欄がありますが、その中でも公開したくない情報は、質問文の下のほうに「ここから下は紹介しないでください」と書いて細かい内容を記載したり、Google ドライブの共有 URL を利用して画像を貼ったりすることも可能です。
詳細は下記の動画にて↓
Japanese Webmaster Office Hours
(ウェブマスター オフィスアワー 2019 年 1 月 25 日)
https://youtu.be/nEyxmIENX2A?t=2593
それ以外の Google 社公式リソース
Google ブログ(英語)
文字通り会社全体のブログなので規模の大きいトピックが中心ですが、検索についてのカテゴリ は SEO に関わる人なら見るべきかもしれません。
Google Japan ブログ
こちらは Google Japan としての情報が発表されるブログですが、検索については頻度が少なめです。
Google Developers Japan
開発者向けブログの日本語版です。検索に関連するけど技術的な内容は、このブログで公開されることもあります。
Think with Google(英語)
マーケティング調査系の記事が多いですが、ユーザーの検索行動について知ることができたり参考になります。
(日本語サイト もありますが、記事は少なめ)
Google 社公式と社員の Twitter アカウント
リアルタイムに最新情報を知るなら Twitter がおすすめです。Google 社では公式アカウントだけでなく、各社員も個人アカウントにて情報発信をしてくれるので、検索に関わるツイートをしてくれるアカウントを主にまとめて紹介します。
(説明文は個人の感想です)
- @googlesearchc(検索セントラル公式アカウント。新機能やブログ、役立つリソースの更新情報をアナウンス)
- @searchliaison(Google 検索に関するよくある質問の回答やアルゴリズムのアップデート情報を案内)
- @dannysullivan(Google SearchLiaison の中の人、ダニーさん。詳細は この記事 で)
- @jumpingknee(ご存じ、検索エヴァンジェリスト金谷さん。公式情報をきっちり案内してくれます)
- @piropiroanna(みんな大好きあんなさん。良い意味できらきらアカウント。最新モバイル技術の話題も)
- @methode(つけ麺大好きゲイリーさん。口調はふざけているようで大事な話してたりするので、要チェック)
- @JohnMu(クリスマスも働くことで有名なジョン・ミューラーさん。英語版とドイツ語版のオフィスアワーを担当。わりとお茶目なところが大好き)
- @g33konaut(技術系のマーティンさん。Javascript と SEO の話には、ほぼ登場します)
- @danielwaisberg(サーチコンソールの解説動画などを担当するダニエルさん。笑顔が素敵)
- @Google(Google 社の公式アカウント。会社としてのニュースをアナウンス)
Google 公式以外の SEO 情報
検索にまつわる最新情報は、日々大量に出てきます。情報の量という観点では、皆さんが目にする SEO 情報では、Google 公式以外のもののほうが多いと思います。
その中でも「準公式」的に扱われるものは、オフィスアワー内での言及や Twitter での発言などがニュースソースになっている場合が多いです。
また、Google 本社はアメリカにあるので、最初の情報発信は英語の場合がほとんどですが、「発言が誰のもので、意図は何なのか?」は、SEO の界隈に限らず、すごく大事な要素です。
なので Google 翻訳 などを活用し発言の文脈や背景を確認すると、より理解が深まります。
この前提を踏まえたうえで、Google 公式以外の SEO 情報を発信しているサイトと Twitter アカウントを紹介していきます。
海外の SEO ブログ
ちゃんと紹介しようと思うとものすごく数が多いので、 SEO 情報においてニュースソースが Google 社員の発言や公式アナウンスか、または大きめな規模の調査データから書かれた解説記事かという観点で 3 つ選定しました。
- Search Engine Land(深掘り系の記事多め。@sengineland)
- Search Engine Roundtable(速報系の記事多め。@seroundtable)
- Search Engine Journal(バランス型。@sejournal)
海外の Twitter アカウント
これも普段見ている Twitter アカウントが多すぎるので、だいぶ割愛して紹介しますが、既に紹介済みのアカウントと併せて確認していただくとより精度が高まると思います。
- @glenngabe(Google の公式情報からの深掘り記事 が得意。解説も丁寧で素敵)
- @rustybrick(検索結果の変化に圧倒的に詳しく、記事化のスピードも随一)
- @bill_slawski(Google 検索の特許から逆算した記事 を得意とする専門家)
- @pedrodias(元 Google 社員。含蓄のあるツイートが素敵)
- @Marie_Haynes(E-A-T や手動対策の話が得意。英語版ハングアウトの速報も)
- @lilyraynyc(同じく E-A-T 関連のエキスパート。DJ もやっています)
- @AlexisKSanders(色んな 無料 SEO ツール を出してる Merkle 社の中の人。たまに面白い実験をツイートしてくれるのがツボ)
国内の SEO ブログ
もちろん国内にも、有益な情報を紹介するサイトはあります。基本的な選定基準は、ニュースソースを公開していることや、運営者が明らかであるか等です。また、元記事が英語の翻訳記事の場合は、なるべく正確に翻訳されているかも選定基準としました。
- SEM リサーチ(元アイレップ社 SEM 総合研究所所長 渡辺隆広 氏によるブログ。本質的なコメント多数)
- DIGIFUL(アイレップ社のメディア。渡辺さんの記事が読めます)
- web > SEO(ご存じ、SEO の神様であらせられる辻さんのブログ)
- JADE ブログ(元 Google 社員の長山さん等、そうそうたるメンバーが集まっている JADE 社のブログ。SEO だけでなく Web 全般で参考になります)
- JADE の SEO プロフェッショナル相談室(JADE 社が連載しているコラム。アイコンが可愛くて大好きです)
- 海外SEO情報ブログ(国内で海外の最新情報を日本語で読める数少ないブログ。平日はほぼ毎日更新)
- 海外&国内SEO情報ウォッチ(海外SEO情報ブログ の著者 @suzukikさんのコラム)
- SEO Japan(国内 SEO コンサル古参のアイオイクス社による海外主要 SEO メディアの翻訳記事)
- Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報(ランキング変動検知ツール で有名な Moz 社のブログ翻訳記事)
- Google 品質評価ガイドライン解説(電通デジタル社による Google 検索品質評価ガイドラインの翻訳記事)
国内の Twitter アカウント
国内の Twitter アカウントも著名人が多すぎるので、発信される情報の汎用性と速報性の観点からピックアップしました。既にフォローしている方も多いと思います。
- @takahwata(アイレップ社 渡辺さんのアカウント。頻度は少なめですが、お知らせを入手できます)
- @tsuj(SEO や Web についての深いツイートはもちろん、たまにするお茶目なツイートも大好きです)
- @tsuw(辻さんの別アカウントです。オフィスアワーの感想などはこちら)
- @kimuyan(サイバーエージェントSEOラボ研究室長兼メディア本部AmebaカンパニーSEO戦略室長兼京都大学経済学研究科研究員の木村さんです。大規模サイト SEO の第一人者)
- @fuguti(バカに毛が生えたブログ の中の人。#金曜日のネタ帳 は業界人なら必見です)
- @ischool_ito(Google 検索/検索セントラル/マイビジネスなど多才なエキスパート。日本語版オフィスアワーの書き起こしが助かります)
- @BloggingLifeJP(AdSense エキスパートの Chico さんですが、海外 SEO 情報もウォッチしていて、翻訳ツイートがだいぶ助かります)
- @takano_seo(私です。上記の SEO 情報の中から、気になるものを RT したりしています。無関係なツイートも多めなので、ご容赦ください)
※ 紹介させていただいたサイト・Twitter アカウントの所有者様、問題がある場合には削除しますので、お手数ですがご一報ください
まとめ
かなり長文での紹介になってしまいました。
こうして見ると膨大な量の情報源に見えますが、例えば Twitter のリスト機能や RSS を活用すると 1 日あたりの情報量は、そこまで多くならないと思います。
もちろん取捨択一も大事ですが、まずは公式情報から、そして信頼できる第三者情報の選定から、なるべく正しい SEO 情報を入手されることを願います。
それでは、またいつか!